気の向くままに、音色に誘われて。音楽が息づくまち、川崎。
川崎のまちを歩くと、いつもどこかで、音楽が奏でられています。駅前のストリートライブ、熱気あふれるライブハウス、一体感が生まれるイベントステージ、オーケストラが響くコンサートホール。 身近な日常の中に音楽があることが、川崎というまちの大きな魅力です。
音楽を通して人と人がつながり、まちが元気になることを目指す川崎。市民やお店、学校、行政などが協力し合いながら、「音楽のまち・かわさき」をビジョンに掲げてまちづくりが進めてられています。
音楽があることで、まちに笑顔が生まれ、会話が生まれる。そんな「音のある暮らし」を感じるツアーに、さあ出発しましょう。
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スポット1
「音楽のまち」を支える学びの場
洗足学園音楽大学
昭和音楽大学 -
スポット2
音楽の息づかいを、肌で感じてみよう
SUPERNOVA KAWASAKI
CLUB CITTA’
川崎駅東口ストリートミュージックパス -
スポット3
音楽が生みだす出会いとコミュニティ
かわさきジャズ
インクルーシブ音楽プロジェクト -
スポット4
音楽のまち・かわさき ― のシンボル
ミューザ川崎シンフォニーホール
スポット1「音楽のまち」を支える学びの場
「音楽のまち・かわさき」を支える「学びの場」から旅はスタートします。なんと、全国の音楽学部の生徒のうち、約4人に1人が市内の学校に通学しています(令和6年学校基本調査より)。元気な学生がいっぱいのまちって、とても活気がありますよね。音楽を学ぶみなさんがこのまちに活気を与え、まちぐるみで音楽を愛する文化を育てているといってもいいかもしれません。
創立100年。豊かな感性と人間性を育む、洗足学園音楽大学

まずは、洗足学園音楽大学(高津区)を訪れてみましょう。2024年に、川崎市と同じく創立100周年を迎えた伝統ある音楽教育機関です。クラシックだけでなく、ミュージカル、ジャズ、アニメソングなど、多彩なジャンルを横断した教育で知られ、国内外で活躍する音楽家を多数輩出しています。地域とのつながりも深く、キャンパス内で開催されるコンサートの多くを無料で市民に公開し、市民が音楽にふれあえる機会を提供してくれています。とくに最高の音響性能を誇る前田ホールは、演奏する学生さんたちも、それを聴く皆さんも、至福のひと時を味わえます。

大学では、音楽を通じて高い芸術性と専門的な知識・技術を修得するとともに、豊かな人間性を育むことを大切にしていて、社会と関わることで、人々に喜びや感動を届けられる音楽家へと成長してほしいと願っているそうです。これからも、みんなの心に響く音楽が、ここ川崎から、生まれ続けていくことでしょう!
大学は、このあと訪問する「ミューザ川崎シンフォニーホール」との交流や、さまざまな市の音楽イベントにも参加。大学や地域が一体となって「音楽のまち・かわさき」が育まれていきます。今日も、キャンパスでは、素敵な音楽が奏でられています♪
芸術が息づくまちの原点、昭和音楽大学

続いて、昭和音楽大学を見てみましょう。こちらも1930年創立と、とても歴史ある音楽大学。クラシック、ジャズ、バレエやミュージカル、アートマネジメントや舞台スタッフまで幅広く学べるのが特徴です。2027年度には、技術と感性が融合する学び「芸術工学部が開設予定です。
2007年、麻生区新百合ヶ丘への移転とともに、「アーツ・イン・コミュニティ・プログラム~地域と学び地域をつなぐ~」をスタートさせています。これは、学生が、音楽を軸に地域貢献を通じて、地域と共に育つ人材の育成を行っていくプログラムです。

学生たちは、保育福祉施設や小・中学校での楽器指導や演奏会、地域イベントでのコンサート企画など、音楽を通して地域と深く関わりながら学んでいます。また、2009年に始まった「川崎・しんゆり芸術祭 アルテリッカしんゆり」では大学も主催団体として参加。音楽や芸術の創造者から鑑賞者まで、まちぐるみで楽しめるイベントを展開し、地域活性化に大きく貢献しています。麻生区を歩いていると、一年を通して多彩な文化イベントが行われていて、音楽や芸術がとても身近に感じられるまちになっていると、実感しますよね。
スポット2音楽の息づかいを、肌で感じてみよう
ここからは趣向を変えて、ホットなミュージックスポットを巡ってみることにしましょう。「音楽のまち・かわさき」では、川崎らしい独自の音楽文化がしっかり育まれています。その発信拠点ともなっている、新鋭と老舗、2つのライブハウスを覗いてみましょう。
新しい才能と感動が生まれるライブハウス。SUPERNOVA KAWASAKI

ここは、JR川崎駅西口すぐ近くのライブハウス「SUPERNOVA KAWASAKI(スペルノーヴァ・カワサキ)」。2023年オープンのまだ新進気鋭のライブハウス。アーティストと観客の双方にとって最高の体験を届ける創造空間として、注目を集めています。

まずは、最新のライブハウスならではの特長から。アーティストの息遣いや楽器の細かなニュアンスまで感じられるクリアで迫力のある音響と、音楽と完全にシンクロした照明演出。通常のライブハウスでは体験できないライブ体験を提供し、観客の感情を揺さぶります。
新しい才能の発掘にも力を入れています。若手アーティストの成長を支える包括的なサポート体制、最新テクノロジーを活用したライブ配信、VRを使った新しい音楽体験の提供など、挑戦を続けています。
川崎の音楽シーンを支える老舗ライブホール。CLUB CITTA’

続いて向かったのは、1988年のオープン以来、川崎、いや、日本の音楽シーンをリードし続けている老舗ライブホール「CLUB CITTA’(クラブチッタ)」。海外および国内の、数々の著名アーティストが熱狂のステージを繰り広げてきました。また、独立したコンサートプロモーター(企画・制作・運営)としても様々なアーティストのツアーやイベントを実施しており、臨機応変に対応できる設備とスタッフの柔軟性が大きな魅力です。

オープンからもうすぐ40年が経ち、ライブホールを取り巻く環境も大きく変化しました。2000年代はロックやJ-POPが中心でしたが、近年は配信ライブの普及やSNSでのリアルタイムな告知・感想共有など、ライブ体験のスタイルも多様化。CLUB CITTA’でもアーティストの記念公演や再結成ライブ、ダンス系イベント、フェス形式の公演も増えているそうです。
2028年には開館40周年。多彩な企画や特別イベントを準備中だそう。きっと私たちの想像の斜め上を行く、CLUB CITTA’ならではの企画が!楽しみです♪
川崎のまちとともに音楽文化を育んできたCLUB CITTA’は、地元の人々やアーティストにとって、これからも、かけがえのない存在として進化し続けています。
ストリートライブの聖地へ。川崎駅東口
CLUB CITTA’からJR川崎駅まで歩いてきました。すると、聞こえてきます!歌声が、楽器の音色が!
JR川崎駅東口。
そう、ここは、ずっと前から、ストリートミュージックが盛んで有名。今、ここでは、登録制で演奏ができる「ストリートミュージックパス」という取り組みが試行実施中。演奏者も観客も、安心して思う存分、音楽を楽しむことができる仕組みなんです。この日は、ストリートミュージシャン2人の演奏を聴くことができました。

最初に出会ったミュージシャンは「しょ~ちゃん」さん。まちのざわめきを包み込むようなサクソフォンの演奏に、思わず足を止めて耳を傾けてしまいます。ジャズの即興フレーズからポップスの軽やかなメロディまで自在に演奏し、息遣いや指の動きまで伝わってくるライブ感は、ストリートならではの臨場感。音が広がるたび、自然と心が弾み、周りの人たちも笑顔で聴き入ります。

続いてはシンガーソングライターの「LANII」さん。透明感のある歌声が特徴で、演奏が進むごとに周囲の空気がしっとりと温かくなるのを感じました。SNSを通じて彼女を知り、ライブを聴きに来てくれる観客も多いそうで、「ストリートミュージックパスのおかげで(交代制のため)演奏時間や場所が事前に周知できるようになり、助かっています」と話してくれました。

川崎市の担当者によると、登録制が導入されたことで「安心して演奏できるようになった」という声も寄せられているそうです。間近で演奏を楽しみながらミュージシャンと直接交流することができるストリートミュージック。ここから音楽ファンの裾野が広がり、ここから新たなアーティストが輩出されていく。川崎はストリートミュージックの聖地といってもいいかもしれません。
スポット3音楽が生みだす出会いとコミュニティ
川崎では、音楽を通じた市民同士の出会いや交流が、まちの文化を育む原動力にもなっています。音楽を巡るツアー、今度は川崎ならではの音楽文化を象徴する2つのイベントをご紹介しましょう。どれも、まちと人がつながり、音楽が日常に息づく魅力的な催しです。
音楽が、人や世代、地域をつなぐ架け橋に。かわさきジャズ

2011年から「モントルー・ジャズ・フェスティバル・ジャパン・イン・かわさき」を開催し、4年間の成果とその精神を引き継ぎ、2015年にスタートした「かわさきジャズ」は、“ジャズは橋を架ける”をテーマに、川崎の特徴である「多様性」と「コラボレーション」を活かし、まち全体をステージにするフェスティバル。ミューザ川崎シンフォニーホールや新百合トウェンティワンホール、ラゾーナ川崎プラザソルなどのメイン会場のほか、市民や地域団体も参加して市内各地で演奏が展開される、まちなかフリーライブも。プロも市民も一緒に音楽を楽しむ、まさにまちぐるみの音楽体験。「こんなことできないかな?」という企画の相談も受けるという運営スタッフの方。走りながら、常に新しい何かを考え続けているそう。次のかわさきジャズ、どんなステージが待っているのでしょうか?
パラムーブメントを楽しく感じる。いろいろねいろJAM(インクルーシブ音楽プロジェクト)

こちらは、障害の有無や音楽経験、年齢や性別、国籍も関係なく、誰でも参加できるインクルーシブな音楽ライブ。「いろいろねいろ」をキーメッセージに、お互いの違いを知ったり、認め合ったりしながら、一緒に表現する喜びを見つけていくことを大切にしているこのプロジェクトは、2023年にスタート。これまでに1万人以上が音楽やダンスのワークショップやライブなどに参加し、スタートからわずか2年で、すでに地域に根付いたプロジェクトに成長。まだまだ挑戦は続きます。今後も様々な文化芸術とも積極的にコラボしながら、かわさきパラムーブメントの世界観を感じてもらえる新しいワークショップやライブを生み出していきたいそうです。
スポット4音楽のまち・かわさきのシンボル ― ミューザ川崎シンフォニーホール
このツアーの最後に訪れるのは、JR川崎駅西口に堂々とたたずむコンサートホール。
そう、ミューザ川崎シンフォニーホールです。
その威風堂々とした姿は、これから体感する音楽の世界を、さらに高みに誘ってくれることでしょう。

1,997席のスパイラル構造の客席が、ステージを360度取り囲む。ステージ中央にそびえるのは日本最大級、5,248本のパイプ数を誇り、壮大でモダンなデザインが特徴のパイプオルガン。
まるで生き物のように音楽に合わせて姿を変えていくその音楽空間と、最先端の音響システムが織り成す豊潤なる響きは、国内外の指揮者・オーケストラ・音楽家からも高く評価されています。クラシックから現代音楽まで、どんなジャンルの演奏でも感動の響きを体験できます。

さらにホール構造の特長から「演奏者の息遣いを感じられる近さ」を感じられると好評。ほら、こんなに近くで!
演奏者の表情が手に取るように見えるとともに、演奏者からは、観客の反応もよくわかります。まさに、演奏者と観客と一体感が生み出されます。

ホールでは、プロの演奏だけでなく、市民も参加できるコンサートやこども向けの音楽体験イベントも開催。世界最高峰の舞台に、学生やアマチュアの演奏者も立つことができるんです。
ホール職員の方は「舞台に立つことにプロもアマチュアも区別はありません。そのひとの大切な舞台が成功し、心に残るものであるように、全力でサポートします!」と力強く語ってくれます。
「音楽のまち・かわさき」のシンボルとして、世界水準の音楽芸術の発信と、市民の皆さんの音楽活動を支える役割を担う、ミューザ川崎シンフォニーホール。今後も文化芸術をさらに深め、人をつなぎ、まちを動かす原動力として、様々な挑戦が続きます。
まとめ
川崎のまちを歩くと、若者たちが学び、腕を磨く様子や、ライブハウスやストリートで奏でられる多彩な音色、そして市民やアーティスト同士の交流など、音楽が日常のあちこちで息づいているのを感じます。
学びの場、多様で本格的な音楽施設、さらに市民が参加できる環境がそろっているからこそ、川崎ならではの文化が育まれ、それがまち全体に広がり、「音楽のまち」をいきいきと彩っているんですね。
ほら。今日もまた、川崎のまちのどこかで、新たな音楽の物語が始まっているのが、聴こえてきます。
シンカ
音楽のプロに選ばれるまち・川崎
「音楽のまち・かわさき」を、少し違った視点から見てみましょう。 川崎市は、政令指定都市の中でも「音楽家や舞台芸術家として働く人」がとても多い都市です。実際、川崎市に住む就業者を対象にした統計では、この職業の特化係数(ある地域で特定の職業や産業が全国平均と比べてどれくらい集中しているかを示す指標)が3.81で、全国平均の約3.8倍という高さ!男女別でも、男性は3.99、女性は3.37と、男女とも音楽や舞台芸術を仕事にしている人が多いことがわかります。 この数字は、単に「音楽や芸術の仕事をしている人が多い」というだけでなく、彼らがプロとして活躍できる環境が整っていることを示しています。川崎市は都心へのアクセスも良く、音楽大学や文化施設、本格的な音楽ホールなど学びの場や演奏の場も充実。「音楽のまち・かわさき」を掲げ、文化振興を進めていることもあって、音楽や舞台芸術を仕事とする人が活躍できる場やチャンスがたくさんあります。だからこそ、川崎は選ばれるまちとなっているのです。